パウスカートの作り方

ここではフラダンスに用いられるパウスカートの作り方について解説をしていきたいと思います。


そもそもパウスカートと私たちは読んでますが、ハワイでは『Pa'u(パウ)』とか『Hula Pa'u(フラパウ)』と呼ばれています。なぜかと言いますと、ハワイ語でパウはスカートを意味しているからでして、厳密に言うと『パウスカート』と呼んでしまうことは『スカートスカート』という意味になってしまいますよね笑。


パウスカートの作り方は案外簡単で全て直線縫いで作れちゃいます。ご自宅にミシンをお持ちと言う方は是非チャレンジしてみて下さいネ!

1.パウスカートの作り方:使用する生地

パウスカート完成サンプル画像

先ずパウスカートを作るのには、生地が必要となりますよね。当店にて取り扱っているパウスカート用の生地は基本的に全てハワイの生地メーカーより直接仕入れている生地になりまして、生地質はTCと呼ばれるコットン(35%)とポリエステル(65%)の布帛生地になります。※布帛とは伸び縮みしない生地です。

当店のパウスカート用生地を見てみる


基本的なパウスカートは4ヤード(約3.6m)の生地から作ります。中には5ヤード(約4.5m)使用される方もいらっしゃいます。また丈に関しては大人用のパウスカートだと65cmから80cm程度の長さにされている方がほとんどで、平均すると72~73cm丈のパウスカートが基本ですが、これはあくまでもお客様の身長や好みによるものになりますので、参考としてください。


まず第一段階として、ロックミシンをお持ちの場合は、生地の外周をジグザグ縫いをしてほつれないようにするのが良いです。特にこれをしないからと言ってすぐにほつれてしまったりすることもないので、お時間がない場合はやらなくても問題はないです。正直ハワイの方たちはあまりこれはしてないです笑。

2.パウスカートの作り方:中表に合わせて生地の端同士をつなぎ合わせます

パウスカートの作り方その2

生地を中表にして合わせ、端と端を(青い点線部分)縫い合わせます。その際にウエスト部分(ゴムを入れる部分:ピンク色の線部分)は縫わずにそのままの状態にしておきます。その他ピンクの点線部分(パウスカートの裾部分)を三つ折りにして縫製しておきます。


ここで重要なポイントが一つあります。パウスカートはウェスト部分にゴムを数本入れてますよね?このウェスト部分に入れるゴムによって丈が縮まるので、それを考慮しておかないと、想定よりもパウスカートのできあがり丈が短くなってしまいます。


当ページではウェスト部分に3本のゴムを入れることで解説をしていきます。※あえて丈指定は入れてないです。


ゴムによってどの程度縮むのか?は厳密には生地の厚さや使用するゴムのコール数そしてゴムの長さなどにもよりますので、一概にこれだけ縮むというのは難しいのですが、一般的にパウスカートに使用される8コールのゴムでウェスト部分のゴムを入れ込む部分の間隔を2.5cmで縫製した場合、ゴム1本に付き約1cm丈が縮みます。


なので、例えばパウスカートの出来上がり丈を73cmにしたく、更にウェスト部分にゴムを5本入れたい、とした場合は、73cm+5cmの78cmの丈を縫製時には取る必要が出てきます。


パウスカートの縫製時の丈 = 【できあがりパウスカートスカート丈】+【ゴムの本数 x 1cm】


これを参考として先ずは作ってみて下さい!


3.パウスカートの作り方:パウスカートのウェスト部分の縫込み

パウスカートの作り方その3

【2.】の画像にある『折り返し位置』部分にアイロンをかけて、ウェスト部分の縫込みをしていきます。


パウスカートの一番上部分。ここでは2cmの耳を残してありますが、これはお好みで長さを調整してみて下さい。ゴムを入れる間隔は2.5cmずつになってます。大体2cmから3cm程度の間隔で縫っていくのが基本なようです。


上の図のように2.5cm間隔で6周分直線縫いをしていきます。※ウェストのゴムを3本として作った場合です。ウェストゴムの本数を4本にされたい場合は、8周分直線縫いして下さい。


今回は全て同じ間隔(2.5cm)で縫ってますが、これは決まりはないので、例えばゴムとゴムの間は2cmにされても1cmにされても問題ないです。実際のできあがり寸法を考えて指定してみて下さい。またお教室によっては、クム(先生)からの指定のサイズなどもあるようです。実際に作る前は先生に聞いてみるのも良いのかもしれません。


ここまでくるとあと一息です。頑張りましょう~!



4.パウスカートの作り方:ウェスト部分のゴム入れ

パウスカートの作り方その4

上の図のように、ゴムを入れていきます。作る人によっては、間隔を開けずにゴムを入れていく方もいらっしゃいますが、当店ムームーママでは一つ間隔を空けてゴムを通すようにしています。これによってウェスト部分が綺麗に仕上がります。


ゴム入れは一度に全てのゴムを同時に通していきます。ゴム通しはできるだけ長い針金などを使うのがコツです。針金がない場合は、クリーニング屋さんなどで使ってるようなワイヤーでできたハンガーなどを使うと便利です。


ゴムを入れた後は、ゴムの端と端を結び、ウェスト部分に均等にギャザーができるように、全体的にゴムの張りを均等にしていきます。


出来上がったら、実際にすぐに自分で履いてみて、ウェスト回りのゴム調整をすることも大切です。最終的なウェスト回りの調整が終わったらゴムの結び目を生地の中に入れましょう。


5.パウスカートの作り方:できあがり!

パウスカートの完成画像サンプル

できあがりです!お疲れ様でした。


自分ではちょっと縫製までは…、というお客様は、当店では沢山の最新柄生地を使ったパウスカートを常時多数在庫しております。お好みの生地からお選びいただきまして、指定の丈などでのお作りもしております他、ハラウやお教室でお揃いのオリジナル柄プリントを入れたパウスカートの制作もお受けしております。


パウスカートのことなら、是非お気軽に当店ムームーママにご用命下さい。


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6.パウスカートの豆知識

パウスカートの画像

パウスカートができたら履いてみましょう!という事になりますが、パウスカートは頭から履く事を皆さんご存知でしょうか?


フラダンスは元々神に捧げる踊りとして発展してきました。この為神に捧げる踊りの際に履くパウスカートは神聖な物でもあるという所以から足からではなく、頭から履き、そして頭の方から脱ぐというのが基本となっています。


冒頭でも記しましたが、ハワイでは『Hula Pa'u』だったり、単に『Pa'u』或いは『Hula Skirt(フラ・スカート)』と呼んでいます。これは『Pa'u』という言葉自体にスカートという意味が含まれている事を指すからでして、同様に『Hula(フラ)』も踊りという意味が含まれています。なので、『Hula Pa'u』というのはダンススカートという意味になります。


現在私たちがパウスカートと呼ぶものは上記で制作したようなTC生地(コットンとポリエステルの混紡生地)だったりコットン生地だったりするわけですが、そもそものパウスカートは、Tapa(タパ)と呼ばれる木の皮を叩いて布状にしたものだったそうです。これに模様を入れ込んで、今のパレオのような状態のものをPa'uと呼んでいたようです。

フラダンスには欠かせないパウスカート。是非チャレンジして作ってみて下さい。